2021-04-24 夕方のひかりに息をのむ
20:43
引越してきて初めての春をむかえている。
西日が入る家というとなんとなくいいイメージを持っていなかったのだけれど、フランスの長い遅い午後のひかりがたっぷりと入ってくる窓は毎日楽しい。
そちらの方向にちょうど庭もあるので、新芽がきらきらしているのや、ふわふわとなにかが舞っているのや、蜂が窓辺で何かをしているのを眺めにいく。
蜂はいったい何をしているんだろう、ガラス窓に映る自分の姿を別の個体と間違っているのかなと考えていたんだけれど、もしかしたら苔が咲かせている花のようなものに興味があるのかもしれない。
それともたまたま今日、苔に触れているように見えただけかもしれない。
ずっと明るくて、19時くらいが一番明るい。
日曜の昼の2時くらいみたいな明るさで、一日の長さを勘違いしてしまう。
春のひかりの匂いがする、と思って全部の窓を開け放つ。
19区は中華食材もすぐに買いに行けるし、中心までメトロで15分くらいだし、思いがけずちょっとおしゃれな町に変化していっていたし、行きつけのカフェやマルシェもあったし好きだったけれど、パリを離れて郊外に来てみてよかった。 家が狭かろうと広かろうと片付けができないのはやっぱり同じことなんだということを再び感じつつも、気分を変えるために寝転んだり、動いたりできる空間があるのは嬉しい。